SUUMOのオウンドメディアの記事に泣いてニューヨークに飛んだ
昨年一番心を動かされた記事は圧倒的にこの記事だった。
もともと西新宿で働いていたこともあり、SNSで流れてきたこの記事をクリック。読みはじめて3分後にはデスクで号泣していた。
西新宿と雨宮さんのコラボで涙腺崩壊
読んで泣いてしまった。 都会と下町、まるで違う二つの顔を持つ街「西新宿」 - SUUMOタウン https://t.co/M0ILm9DMcj
— ゆいむん (@ui_k) August 4, 2016
私にとっても西新宿はニューヨークだった
よくJay Zの「Empire State Of Mind」を聴きながら歩いた。あれは都庁だし、ここはニューヨークじゃない。分かっているけど、私にとって、この歌で歌われているニューヨークは、東京なのだった。
西新宿で働いていた頃に、海外ドラマの「Gossip Girl」にハマっていたのだけど、その舞台がニューヨークだった。
映像にうつるビル群と西新宿を当時の自分も重ねていて、西新宿ってイケてるなーとなんだか誇らしかったし、だからこそニューヨークへの憧れや、ニューヨークに行きたいと思ったことは一度もなかった。
さらに前述のドラマ内でJayZの「Empire State Of Mind」が流れていたので当時この曲はよく聞いていた。
雨宮さんの行動すべてがあの日の自分に重なりすぎて、この記事を読んだときになんだかおそろしいようなうれしいようなそんな気持ちになったのを覚えている。
西新宿のビル群の不思議な威力
高層ビル群を眺めていると、エモーショナルなサビの盛り上がりとともに「いつかてっぺん取ったる」という謎のやる気がわいてきた。
西新宿に行ったことのある人なら分かると思うけど、あのビル群の中にぽつんと立ってると自分という存在がいかに小さいかを実感する。
ビルに取り囲まれて、私もてっぺん取ったると意気込んだ日もあれば、ビル群に押し潰されそうになりもう無理かもと弱気になる日もあった。
それくらい西新宿のビル群には威力や迫力があるので、あそこで過ごすにはそれ相応のエネルギーが必要だった。
ニューヨークに行こうと思った
けれど、あのころ、西新宿でものすごくハングリーな気持ちをたくわえながらガツガツ原稿を書いていた自分に、いまの自分は勝てるんだろうかと思うときがある。
ここを読んですごくこわくなった。あの頃たくさんのエネルギーを使って生きていた自分と今の自分を比べたときに、自信を持って今の方が勝てるって心の中で言えなかった。
この記事を読んで、西新宿にニューヨークを重ねて、西新宿よかったな、たのしかったな、あの頃もっと若くてギラギラしててやんちゃだったなって、懐かしんで涙を流している自分を情けなく感じた。
そして、その瞬間にニューヨーク行くことを決めた。
翌月、ニューヨークに行ってみた
この記事が出たのが8月で、私は9月のシルバーウィークを使ってニューヨークに行った。
シルバーウィークのニューヨーク旅行、1か月前に航空券を確保…言葉にするだけで金銭的不安を感じるが、なんかもう行かなきゃいけない気がその時はしていた。
あの頃の自分に勝ちに行くにはもうニューヨークに行く以外にない。それしか方法がないように思えた。
それで実際にニューヨークに行ってみたけど、ニューヨークは全然、西新宿じゃなかった。
たしかに高層ビルはいっぱあったけど、そこにはいわゆる色んな人がいて、もう全然東京じゃなくて、そもそも街自体がめちゃくちゃカッコよくて、スタバがワンブロックに一つあって、あの大食い選手権の決勝戦をやってる場所もあって…、うまく言えないけどニューヨークはニューヨークだった。
一ミリも帰りたくなかったし、永住したかったけど、大人なので日本に帰ってきた…。
ニューヨークと西新宿、改めて考える
日本に帰ってきて一度だけ西新宿にいった。
西新宿は相変わらず西新宿だったけど、もう西新宿にニューヨークを重ねない。
たのしかった西新宿にニューヨークを重ねて、あの頃の自分を何者かのように思っていたけど、別にそんなことはなくて、自分は自分で、西新宿は西新宿、ニューヨークはニューヨーク。ニューヨークを知った上で見たありのままの西新宿はそれはそれで素敵な街であった。
路地裏に新しく見つけた文房具屋さんもなぜか4店舗あるタカマル鮮魚店も、西新宿はやっぱりとても西新宿であった。
だから何だよっていう
話なんですよね。この記事を読んで私が勝手に共感して、勝手にニューヨークいって、別にそれは構わないけど、で、あなたSUUMOで家買うの?引っ越すの?って。
いやまだ家買うか分からないし、引っ越しするかも分からないし、それどころかそもそもSUUMO使うかどうかも分からない。
でもこれを担当している人からしたら、ねえ感動した分だけちゃんとサービス使ってよって話だと思うんですよね。違うかな…。
ただやっぱり私はこの記事を絶対に忘れないし、このシリーズの記事は複数あるけど、その記事に出てくる土地に思い入れのある人はみんな、私と同じようにディスプレイ越しにすごく感動したり共感したりしているんじゃないかなと思うんです。
本体サイトのPVとかUUには反映されてないかもしれないけれど、ちゃんと心には刺さってるんじゃないかなって。
もしこの先、家を買うことや引っ越すことがあって、もうSUUMOでもHOME'Sでもオウチーノでも変わんねーなってなったらSUUMO使いますので、その日までぜひ待っていてくださいということと、あとやっぱりこういう風に、心に刺しにいく記事が最後は勝つと思わされました。